石塔について(地蔵尊墓・観音尊墓・逆死墓)

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吉相墓とは 石塔について(地蔵尊墓・観音尊墓・逆死墓)

石塔について(地蔵尊墓・観音尊墓・逆死墓)

 これまで「石塔について」の項で、墓相学に拠って建てられる吉相墓に用いる石塔として先祖供養塔(五輪塔、宝筐印塔)、夫婦墓(代々墓)と順を追って述べてきました。

 ここで子供や未婚で亡くなった大人の方々を祀る石塔についてご説明しましょう。

 まず、子供と大人の区別はどこでつけるのでしょうか。私どもの墓相学の立場では通常、16歳を区切りとするのは古来の元服の年齢に由来すると考えてよいと思いますが、より根本的には女性の結婚許可年齢とも大いに関連し、子供を作る資格を有する年齢に達すれば大人と見なすとするのが、親子代々の継承を重視する墓相学の考え方です。

逆死墓(左)と地蔵尊墓(右)逆死墓(左)と地蔵尊墓(右)

 さて、子供で亡くなった霊を祀るために建てられるのが、お地蔵様の姿を浮き彫りにした地蔵尊墓です。16歳未満の子供であれば男女の性別は問わず、また、死産や流産のなどの水子も地蔵尊墓によって祀られます。

ただしここで子供や水子の霊をどのように祀るかについては少し注意が必要になります。と言うのは子供や水子には必ずしも戒名(法名、霊名)が付けられていない場合があります。

 この世にいったん生を享け、戸籍に掲載された子供ならば死後埋葬許可証が発行されますから、何らかの形で葬儀が行われ、戒名などが付けられるのが通例ですが、いわゆる水子の場合は記録がほとんど残りません。もし水子の数が夫婦の間ではっきり把握されていれば、地蔵尊墓を建立するにあたって、水子の数だけ戒名をつけて(いわゆる贈り戒名をして)掘り込むようにするのがひとつの方法です。

 しかし水子の数がはっきりわからない場合もあるのです。そのような家庭ではむしろ水子の数を特定せず「○○家水子諸霊位」などと掘り込んだほうがよい場合もあります。

 それは何故ならば、ひとつには妊娠の早期には流産かどうか確認されないことがあるからです。また性別が判断できないような早期の水子はまだ人格の形成に至ってないとみなされます。さらに近年、水子の供養に関して重要になっているポイントがあります。それは若年齢の男女が結婚などの社会的規範のらち外で人工中絶をするなどの事例が多くなっているため、水子の数を確定してお祀りすることがむしろ危険になるという状況があるためです。ですから私どもの指導でも「水子諸霊位」としてお祀りする方を選択する傾向があるのです。

 墓所では先祖供養塔が建てられる位置(右側の奥)が最上座であると先にご説明いたしました。逆に地蔵尊墓は墓所の中で最下座の位置に建てられます。先祖供養塔の左側から第2、第3……の座となり、代々の夫婦の墓が建てられていきますが、右側の手前の位置、つまり先祖供養塔の一番手前が地蔵尊墓の建てられる最下座です。そして地蔵尊墓は先祖供養塔や代々墓のように正面に向けるのではなく、左横に向けて建てられます。これはあくまでも子供の霊を大人の霊と同列同格に扱わないためです。

 子供が親より先に亡くなることを「逆縁」と言い、そのような死者を「逆死者」と呼びます。逆死者には子供だけでなく、独身で亡くなった男女や、一度結婚して出戻った女性などが含まれます。

 こうした16歳以上の逆死者は、地蔵尊墓ではなく、逆死墓によってお祀りします。逆死墓は代々墓よりも少し小振りのお墓となり、やはり地蔵尊墓のように左横に向けて建てられます。大人であっても代々墓を継承した大人と同格同列には扱わないのです。

 このような祀り方をするのは、五輪供養塔の項でも述べたとおり、逆死の因縁というものを解消してゆくためです。独身で戦場に散った戦死者は逆死者の典型ですが、よく目にするように戦死者が背の高い墓に親より高い位(くらい)の戒名で祀られている例が多いものです。しかしこうした墓は、逆死者を目立たせ、逆死の因縁を増長させる働きをしてしまいます。

石塔について 観音像墓観音像墓

 逆死者に祀られる霊が女性だけである場合は特別に観音様の姿を浮き彫りにした観音像墓を逆死墓として建立することになっています。

 子供や水子の供養でも宗派によってはお地蔵様より観音様を好むことがあります。主として日蓮宗などでは水子供養に観音像墓の建立を選好します。

 最後にお地蔵様にせよ、観音様にせよいずれにしても水子や子供の供養は各家庭のお墓でなされるべきものです。よく見聞きするように、各地に水子供養を専門にする寺院があります。そのような寺院で供養してもらうこと自体の是非は別にして、本来それぞれの家庭で然るべく地蔵尊墓や観音像墓を建立するのが供養の実をあげる正しい方法です。

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